更地で売るべきか?
あなたが売ろうとしている不動産が、築年数の経った中古住宅である場合、そのまま中古一戸建として売るか、建物を取り壊して更地にしたうえで土地として売るかは悩むところです。
建物がしっかり造られていて、思い入れもあるとすれば、「できればこの建物を使ってもらいたい」と思うでしょう。
一方、新築のイメージもわきやすく、購入希望者の数も多いのは、更地にして土地売りをした場合かもしれません。
そこで今回は、住まなくなった古家(中古住宅)を売りに出すときに、古家のままにしておく場合と、更地にする場合の注意点を確認しておきましょう。
<古家のままにしておく場合の注意点>
古家のままにしておくと、放火や不法侵入などの心配があります。
隣家の迷惑を考えると、保険に加入しておいたほうがいいかもしれません。
対象物件から離れたところに住んでいるときなどは、近隣の方に声を掛けておくと、不審者情報なども教えてくれます。
また、建物は使っていないとどんどん傷んできますから、定期的に様子を見に行き、風を通したりしておくといいでしょう。
<更地にする場合の注意点>
更地にしてしまうと、住宅用地の特例が適用されなくなり、通常は翌年から固定資産税等が大幅に上がります。
自宅の売却の場合には、住まなくなって3年までは使えるはずだった「居住用の3千万円特別控除」も、更地にすると適用期間が短くなることがあります。
また、建物解体費も事前に用意する必要があります。
どのような形態で売りに出すのか、建物を取り壊すとしたらいつがよいのかについて、決まりはありません。
不動産売買では、そのほとんどが売主・買主間の取り決めによります。
相手があることなので、あなたの都合ばかりでは決められませんが、注意点はしっかり把握しておきましょう。
CFP 永田 博宣