新規内装済の物件
「新規内装(リフォーム)済!」
都心の中古マンション等の広告でこのようなキャッチコピーを目にしたことはありませんか?
その多くは「不動産業者による転売物件」です。
つまり、不動産業者が中古マンション等を買取り、リフォームをして売りに出している物件です。
実は、このような物件は、通常の(売るためのリフォームをしていない)物件に比べてよく売れています。
今回はその理由を考えてみましょう。
まず第一に、「リフォームしている」こと。
売るためのリフォームをしていれば、入居後のイメージがしやすく、なにより、新築マンションや新築一戸建、または賃貸物件などのように「引渡し後に、すぐ引越しできる!」のが魅力となっています。
リフォーム済の物件は、住みながら売っている中古住宅に比べると、この点において強みがあるのでしょう。
次に、「多くの不動産仲介業者が積極的に広告している」こと。
「不動産業者による転売物件」は、数多くの不動産仲介業者が広告していることが少なくありません。
そのため、多くの方の目にとまる機会があるようです。
さらにリフォームをしていることで売りやすいとしたら、不動産仲介業者の営業マンも競って売却活動をします。
結果として売却までの時期も短くなるでしょう。
さらにもう一つ、「リフォーム代金が売買価格に含まれている」こと。
中古住宅を購入して、自分でリフォームする場合には、売買価格とは別に「リフォーム代金」を用意する必要があります。
ところが、自己資金が少なく、ほとんど住宅ローンを利用して不動産を購入しようと考えている人にとっては、「リフォーム代金が売買価格に含まれている」ことは十分メリットと言えるでしょう。
金利の高いリフォームローンを利用するよりも、住宅ローンで一緒に借りることが出来るという見方もできます。
売るためのリフォームをしている「不動産業者による転売物件」が、通常の(売るためのリフォームをしていない)物件に比べてよく売れているのは、以上のような理由が挙げられるでしょう。
ただし、このような物件を検討するときは、リフォームの内容をしっかり確認しましょう。
新築住宅ではないので、表面だけではなく見えない部分についても、どうなっているのか(例えば、マンションであれば専有部分の給配水管も交換しているのか等)は、知っておくことが大切です。
また、「転売しているのは不動産業者が利益を出すため」ということも、頭のスミに入れておきましょう。
CFP 永田 博宣