不動産売買契約の解除(解約の方法)
不動産の売買契約を締結するときに、「解約を前提に」というケースは少ないでしょう。
しかし、契約締結日から残金決済日までに時間があると、事情が変わることも考えられます。
場合によっては、「不動産売買契約の解除」という結論を選択することも…。
不動産の売買契約は、売主と買主の双方がいることによって成立しますので、望んでなくても「いきなり相手から」解約を宣告される可能性もあります。
今回は、代表的な?3つの解約方法について簡単にご説明します。
■ローン解約
買主が不動産を購入するために、住宅ローン等を利用する場合、通常、売買契約書にはローン特約(融資利用の特約)が盛り込まれています。
これは、決められた期日までに融資の承認がでなかったときには、売買契約が自動的に白紙になる、あるいは、白紙にできるといった特約です。
ローン解約の場合には、手付金を無利息で返還することになっています。
■手付解約
売主は、売買契約締結の際に受け取った手付金の2倍の額を買主に支払うことにより解約できます。
買主は、売買契約締結の際に支払った手付金を放棄すれば解約できます。
ただし、通常は手付解約が出来る期限を設けていることが多いため、売買契約書で確認しましょう。
■違約による解約
手付解除の期限が過ぎてしまった場合は、違約金を支払って解約することができます。
違約金の額については、売買契約書に記載されており、一般的には売買価格の1~2割が多いようです。
ただし、いずれの場合にも、測量などをしていたときには、当然実費負担となりますし、ローン解約以外は、不動産業者から仲介手数料を請求されるでしょう。
解約の手続きは、後ろ向きなこともあって、想像以上にパワーを使うかもしれません。
万が一、そのような状況になった場合は、売買契約書、重要事項説明書、覚書、媒介契約書などをしっかり把握することからはじめましょう。
CFP 永田 博宣