3,000万円の特別控除と住宅ローン控除
居住用の不動産を売却して譲渡益が発生しても、3,000万円の特別控除が利用できれば、税額がゼロとなるケースが多いでしょう。
ただし、同時に買換えをした場合、3,000万円の特別控除を利用すると住宅ローン控除が受けられなくなってしまいます。
つまり、3,000万円の特別控除と住宅ローン控除の併用はできないのです。
そのため、上記のようなケースでは、3,000万円の特別控除と住宅ローン控除のどちらを選択するかを検討する必要があるでしょう。
例えば、譲渡益が500万円、住宅ローン控除の減税額(総額)が200万円として考えてみます。
■3,000万円の特別控除を利用した場合(※)
納税額は、譲渡益500万円-特別控除500万円=0円となり、税額は0円となります。
■住宅ローン控除を利用した場合(※)
納税額は、譲渡益500万円×税率20%=100万円となり、住宅ローン控除の減税額は200万円なので、納税額100万円-減税額200万円=減税額100万円となります。
したがって、このケースでは住宅ローン控除を利用したほうが税制の面では、有利といえるでしょう。
なお、「3,000万円の特別控除」、「住宅ローン控除」どちらの特例も、確定申告は必要ですが、「納税はその年にまとめて」、「減税は10年かけて」という違いがあります。
住宅ローン控除の減税額(総額)は、繰上げ返済等をおこなえば当然違ってきますが、検討する際のひとつの目安として、上記のような試算をされてみてはいかがでしょうか。
(※)3,000万円の特別控除および、住宅ローン控除の適用要件を満たしているとします。
CFP 永田 博宣