不動産の譲渡所得と確定申告
個人が所有する不動産を売却して「トク」をすると、原則として税金がかかります。
つまり、買った価格よりも高く売れると、利益があったとされ、他の所得と区分した譲渡所得となり税額が計算されます(分離課税)。
ただし、売却するのが自宅(マイホーム)の場合は、税金があまりかからない配慮がされています。
具体的には、3,000万円の特別控除の特例や軽減税率の特例、または買換えの特例といったものがあります。
このような特例を適用することにより、税金のかからない人や、軽減される人も出てくるでしょう。
また、仮に不動産を売却して利益が出た場合でも、同じ年に他の不動産を売却して損が発生した場合には、損益通算を検討することもできます。
その結果、税金が少なくなったり、場合によっては税金がかからなくなることもあります。
このような特例等を利用するためには確定申告が必要となります。
通常は、不動産を売却した翌年に確定申告をすることになりますが、そのときになってはじめて「特例が使えない」「3,000万円の特別控除を使ったら、住宅ローン控除が使えない」等で困る人がいます。
あらかじめ知っておけば、覚悟できていたはずです。
もしくは、節税の方法も検討できたかもしれません。
不動産を売却する際には、事情やタイミングもあるとは思いますが、ぜひ、税金のことも含めて事前に検討しておきましょう。
実際には、減価償却や譲渡費用等も含めて細かい計算をすることになるため、心当たりのある人は、税理士等の専門家に相談して、税額や最終的な手取り額がいくらになるのかを事前にある程度把握しておくと安心です。
なお、売却した不動産に共有者がいる場合には、それぞれ個別に検討することになります。
CFP 永田 博宣